特殊な地質調査法

定方位連続地層採取調査

定方位連続地層採取調査

ジオスライサー調査の様子
九州大学における定方位連続地層採取調査

地層を平面的に採取する調査手法です。水位が高い場所でも砂層や泥層の採集が可能です。機材製造、使用重機等機材選定、良質な試料採取のノウハウ、解析結果を踏まえた調査手順、試料観察、解析、まとめまで、全ての項目を請け負うことが可能です。

本調査法のメリット

  • 地層を面的に抜き取ることができる。
  • 他の調査手法と比較して調査期間を短縮化可能。
  • 土地へのダメージが少ない(耕作地などに適している)。
  • 水位が高い場所、トレンチ調査が困難な水面下でも地層採取可能。
  • 採取後の試料観察が安全。
  • 幅広い試料を観察可能なので堆積相解析等の手法との相性が良い。
  • 試料量を多く採取できるため複数の分析を同一試料で実施可能。
  • 試料数が多いとボーリング調査よりも低コスト化が図りやすい。
  • 機材を現地製作することも可能である。

本調査法のデメリット

  • 硬い地層、礫層などは調査対象にならない。
  • 特殊な重機類を使用する場合がある。
  • 調査箇所数が少ないと1本あたりの単価が高くなる。
  • 採取試料が大きいため、移動が困難。

どれぐらいのサイズ?

標準的なサンプリングとしては、幅が35cm、深さが3mほどです。サンプラー自体は予算規模に応じで作成することは可能です。私が考案した機材セッティングで最大のものは、幅40cm、深さ12mの連続試料を採取しております。採取幅は、ご希望によっては広くすることは可能です。

どのような調査に適しているか?

地層の堆積構造をほとんど乱すこと無く採取できるため、地層観察に重点が置かれるような調査全般に向いています。トレンチ調査が困難な場所での活断層調査、津波堆積物調査のように地層中からイベントを読み取ることが必要な調査には適しています。

海岸侵食や堆砂メカニズムなど、堆積学的な検討を要する調査、底生生物を主体とする漁場の環境悪化原因を調べるような環境変遷調査などは、同時進行で様々な分析を必要とすることがあるため、最も相性の良い調査法だと思います。

干潟など掘削を伴う調査が困難なところでの生物調査にも用いることが可能です。深い巣穴を形成する甲殻類、多毛類を含め、堆積物内で生活している生物を調べる手法としても使えます。深度方向に特化したボックスコアラー的な役割を担えるでしょう。

剥ぎ取り処理による保存

採取した地層は、平坦な面として観察できます。そのため、剥ぎ取り処理を行うことにより保存することが可能です。地層試料の保存が必要な調査などに適しています。

解析・分析手法との組み合わせ

堆積相解析、貝殻遺骸群集解析、生痕相解析、微化石分析、年代測定(Pb-Cs)、C14年代測定、安定同位体測定、その他、化学分析に必要となる試料を得ることができます。調査内容に対して必要となる項目については、ご提案させて頂きます。

お問合せフォームへ

 

トレンチ調査

活断層トレンチ調査の様子
首都大学東京の活断層トレンチ調査

活断層調査などでしばしば用いられるトレンチ調査ですが、重機搬入、形状の設定、掘削指示、壁面整形、安全管理、埋戻し指示、掘削面のスケッチ、解析等まで行うことが可能です。もちろん、人手が足りない場合など、どのパーツでもサポート可能です。

本調査法のメリット

  • 地層を広い面積で観察可能
  • 掘削自体は他の調査手法と比べると比較的安価
  • 使用重機が調達しやすい
  • 特別な機材は不要

本調査法のデメリット

  • 土地へのダメージが大きい
  • 用地交渉が困難な場合がある
  • 狭い調査地では実施困難
  • 地下水位が高いと実施困難

 

ピストンコアリング調査

ピストンコアリング調査の様子
東京海洋大学神鷹丸でのピストンコアリング調査

海底や湖底のコア採取では有効な調査手法です。採取作業の効率化を図った機材の改良等も含めて、良質な試料採取のためのご協力ができます。

本調査法のメリット:

  • 水深が深い場所のサンプリングが可能
  • 堆積物を連続で採取できる
  • 採取した試料の観察は室内で可能